2026年02月:映画タイトル

毎月恒例のやつ。
2月は映画館に行けず・・・

【タイトルリスト】
✕SUPER8/スーパーエイト
(N)

(あんまり面白くないかなぁ、と思いつつも『8ミリカメラでゾンビ映画を撮る少年たちが』というストーリーに観てみたが、案の定つまらんかった。『グーニーズ』やら『E.T.』やらのノスタルジックの上澄みだけをやられても。という感じ。肝心のヒューマニズムの部分が薄っぺらい。それに父親たちがどう贔屓目に見たとしても何の役にも立ってないのだが、ラストそれでいいんか?。結論:エンドロールで流れる少年たちのゾンビ映画の方が良い。それにしても、エル・ファニングの演技力の高さよ。)
△秋が来るとき(U)
(いわゆる『田舎住まい老女たちの丁寧な暮らし』的なものを想像して観ると普通に裏切られる。そもそも主人公の自覚が『老女』でなく『女性』だし、内容もクリスティの単発長編モノっぽい質感。で、キノコにしても転落死にしても肝心の描写はないのだが、たぶんそうなんだろうな。どちらも事故じゃないのでは(とも思わされる作り)。そして、ミシェルとマリー=クロードの秘密は森の土へと静かに還る、と。孫が想像以上に曲者なのだが、彼らにも彼らなりの事情や正義があるのかもしれない(彼らのセクシャル面についても他と同様にはっきり言及されてはいないが、ヴァンサンが向かった夜の公園はそういう場所に見えたし、ラスト車内の2人のやり取りもそれっぽくは見えた)。確かに不穏な予感は漂ってるのに、ずっと静かなヒューマンドラマ。ブルゴーニュの秋の森が美しい。)
・冬の旅(U)
(昔観損ねて、結局ずっと観損ねていたことを思い出し。一人のホームレス女性(なのか放浪者なのか)が路上で凍死するまでに何があったのか、というドキュメンタリータッチの映画。劇中、何度か『救いの手』があったようには思うのだが、彼女はそれをすべて受け取らず(受け取れず?)、結局、世界から拒絶されたように死ぬ。女性教授とモロッコからの労働者男性は本当に心残りがあったのかもしれないが、彼女が実際に何を考えてどうするつもりで放浪していたのかは誰にも分からない。それは『怒り』のようにも見えたし、若者特有の『甘え』や『傲慢』のようにも見えたけど、誰の証言にしても見せ方にしても、すべて彼女の本質を示すものではなかったように思う。冬の寒さが身に染みる映画だった。ところで、原題は『Sans toit ni loi(屋根も法もなく)』という意味で、ビデオ化の際には『さすらう女』というタイトルだったらしい。)
・イントゥ・ザ・ワイルド(U)
(先日『冬の旅』を観たので、概要に類似点を感じセレクトしたのだが、全く異なる映画であった。なんというか。名作というか良い映画、というのは分かる。砂漠や荒野の壮大さ美しさもよく分かる。青年の『動機』についても分からなくはない。しかしなんだか呑み込めないのは、結局のところ、私がもう若くないからなのだろう。バックパッカーやろう、とか考えたこともないし。だいたい『荒野の真ん中で大地からの恵みで生きる』なんて甘いし傲慢そのものじゃないか。狩猟用の銃はともかくカメラ持ってるとか、そういうとこどうなの。しかし『冬の旅』に出てくる人々が基本的に世知辛く、また主人公含め匿名性が高かったのに対し、こちらは全員バックストーリーもほぼ明快でキャラが立っているし、基本的に主人公に協力的。こっちは実話ベースだし、そもそも内容としても比べるようなものでもないのだが、なんかこう話の骨格というか作りというか着眼点というか終着点というか、なんか色々とフランス人とアメリカ人の違いを感じた。)
✕400デイズ(U)
(B級SF映画。どっかで見たことありそうなんだけど多分ないキャスト、最低限の雰囲気だけで乗り切ろうとした安いセット、とにかく微妙なストーリー……B級。そういう映画を観たい時にしか観てはいけない映画。しかし、予算のなさをシチュエーションで誤魔化す、のは策として良いと思うのだが、真相やオチを視聴者に委ね過ぎというか、もうちょい伏線なり張って、きちんと回収すべきではないか。それにそもそもメンバーが訓練生としてもちょっと有り得ないというか、ふつう選ばんだろ、な面々すぎて。これなら『あなたたちの様子はネットで公開されていて皆が楽しんでました(悪趣味)』的なオチの方が説得力はある。どういう方向でも脚本が良ければ化けただろうなぁ、と思わせるとこもまた、B級。)
・WEAPONS/ウェポンズ(U)
(正直、期待したほどではなかった。『ロングレッグス』同様、たぶん色々な寓意(主に家族の問題)が込められたホラーなんだが、『魔女』のインパクトが強くて一瞬コメディかと(ここら辺もまた『ロングレッグス』のニコラスみたいな)。アレックスの章でもう完全にヤングケアラーの話になった感があるが、ラストは子どもたちの手によって魔女が引き裂かれたところでカタルシスもないし、大団円でもない。なんだかとても後味の悪いスプラッタであったが、この後味悪いラストも『ロングレッグス』のようだった。)
△プレデター:バッドランド(D)
(やっと鑑賞。D資本が入ることでSWシリーズみたいにめちゃくちゃにされるんじゃないか、という不安は拭えないし、エイリアンもろとも既にそんな匂いがするのだが面白かった。普通に。普通に面白い。一族の落ちこぼれプレデターが価値観をアップデートする話でもある。ので、今までのプレデターとはちょっと質は異なるんだけど、この感じも、D資本が入ったから、と言えばそうかもしれない。前々作『ザ・プレイ』とどっちが好きかって話なら『ザ・プレイ』かな。ウェイランド・ユタニ社とか、エイリアンシリーズへの目配せ上手い。個人的には、がっつり絡めないでこれくらいのリンクが良いと思うな。)
△メサイア・オブ・デッド(U)
(アメリカらしからぬアートでオカルトチックなホラームービー。雰囲気はイタリアっぽい。解説パートが一切無いところも、妙にアートな画面構成とか、不気味なアトリエとか、すべてがヨーロピアンの香り漂う、というか、ダリオ・アルジェントあたりと同じ匂いがする。正真正銘のアメリカ産とのことだが。マジか。なお、タイトル(邦題)の『デッド』からゾンビものな雰囲気は漂うが、どっちかというと、オカルト系悪魔ものっぽい。なんだかんだダリオ・アルジェント嫌いじゃないので、これも割と嫌いじゃなかったです。)
・白鯨との闘い(U)
(海の脅威とか鯨の脅威とか、どちらにせよ人間側の傲りやら何やらを炙り出す映画として鑑賞したんだが、正直そういうの食傷気味ではあるよね・・・というか、こういう捕鯨やら自然観やら宗教観やらって、キリスト教的世界観からの観点であって、まぁそうでない側から見ると『せめてもうちょい感謝するなりした方が良いんじゃないんですかね(神様に、じゃなくて鯨や海に対して)』って冷めてしまうところもあったりなかったり。とりあえず、ベン・ウィショーの声好きだな、と実感しました。)
△残酷で異常(U)
(なんとなく観たが、割と良かった。SF風サスペンスというのか、ヒューマンドラマというのか。殺人をループする、あの場所はおそらく地獄なんだろうが、丁寧な作りとか登場人物たちの変化とか、細部がきちんとしているので、設定やラストに至るまでの道程がちゃんと納得出来る。いつか、エドガーのループが終わる日が来るといいな。)
△歌うたい(N)
(短編。久々のネトフリ短編。渋カッコいいオッサンたちが良い。良作、と思ったらアカデミー賞ノミネートされてる。やっぱり。)
・シェルビー・オークス(U)
(ダメ寄りのイマイチ。なんかこう予告の雰囲気とか冒頭の作りから、ブレアウィッチ的なファウンド・フッテージ・ホラー系のつもりの鑑賞だったんだけど、フタを開けたら普通に普通のホラーだったというか、安易な作りだったというか。クラウドファンディングなんだよね、うーん・・・出資者の感想聞いてみたい。)
・スフィア(U)
(SFホラー。期待したほどじゃなかった・・・。想像したことが現実になる。概要だけなら児童向けっぽいが、実態は海底でオッサンたちが右往左往するだけのSF。ラストの感じもなんとなく児童向けSFなオチ。ダスティン・ホフマンとシャロン・ストーンとサミュエル・L・ジャクソンなんだけど。軍人のリーダーが色々含みありそうで、結局真面目なだけだった。つか全体的に軍人の扱いが微妙。)
・スナッチャーズ・フィーバー(U)
(カナダ映画って小粒だけど良質なのが多いイメージ。これは元は短編だったらしい。短編は知らないが、少なくとも長編は『遊星からの物体X』カナダ田舎版の趣だが、カメラのフラッシュとか車の室内灯とか暗闇の画作りが巧いなぁと思った。4人の様子を撮影するカメラを持ってる人間がいる(2台↑のカメラがある)ので厳密にはPOVではないのだが、それなら手ブレちょっとさすがに酷すぎというか、第3者目線もぶれてるの、キツい。)
△関心領域(N)
(徹底的に淡々と塀のこちら側の日常を流すだけで何も語らず何かを声高に主張もしない。収容所の悲惨さは塀の向こうから響く音や声、煙で示されるだけ。無関心を続けることが正常なのか、気付くことが正常なのか。ずっと『風景』を流すだけだったのに、薄暗い階段の踊り場でこちらを見つめるルドルフの最後の視線が印象的。少なくとも、無関心であることを断罪出来る観客は(自身も含め)一人もいない。)
・ギャング・オブ・ニューヨーク(N)
(色々と詰め込みすぎでは、って話なんだけど、実際詰め込みすぎなんで、テーマや描かれてる内容がとっ散らかってる印象は拭えないし、何より長い。がNY(ひいてはアメリカ)創成期の話と思えば、それはそれで面白い。個人的には、アイルランド移民とネイティブアメリカン(お前らが『ネイティブ』と名乗るなって話なんだが)の関係性とかそこに黒人とか有色人種がどう絡むのか、あたりをもっと見れたら良かったな。ここら辺は例えば『罪人たち』とか『ファーゴ(S4)』の土台に繋がるテーマでもあるので、中々興味深い。しかし、スコセッシの映画に出てくるマフィアやギャングは基本的にカッコ良くない、というか、虚しい感じがして割と好き。)

【総評】
先月の『ガーゴイル』、『秋が来るとき』『冬の旅』と、フランス映画って、やっぱフランス映画だな、と感じました。何言ってんだ、って感じなんですが、人物の描き方なのか、ストーリーの見せ方なのかな。フランス映画独特の空気感があるというか。ちなみに、イギリス映画は何よりまずセリフ回しがイギリスな感じ、北欧系はセリフの内容がなんだか北欧で、東欧系はまず設定がそれっぽく、イタリア、スペイン系は画面の雰囲気や色味がその国の色をしている、そんな気がする。

【凡例】
☆:めちゃくちゃ好き。オススメしたい。
△:好き。人によってはオススメする。
✕:・・・
・:特に薦めないけど、悪くはないと思うよ?

(T):映画館
(N):Netflix
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(D):Disney+
(P):Primeビデオ
(-):その他動画配信サービス