運命の只中にいる

Title by 鍵屋
刃霧と御手洗、彼らを取り巻く周囲の人々の話。

  • 01.刃霧

    刃霧が部屋に入ると、そこにはいつもよりも穏やかな表情の御手洗が1人ソファに座っていた。刃霧にとって、御手洗はいつも憂鬱そうな、今にも泣き出しそうな表情をしているのが常だったので、「珍しい事もあるんだな」と思いながら、御手洗の座っているソファ…

  • 02.天沼

    御手洗の横顔を見て、天沼は溜め息を吐いた。御手洗の視線の先には仙水さんが立っているが、御手洗が見ているのは、仙水さんではなく、その隣にいる刃霧だろう。ページを捲っていた手を止め、一瞬だけ視線を上げて、彼の姿をじっと見つめる。2人は樹と少し立…

  • 03.神谷

    あぁ、まただ。2人で話しながら、一瞬だけ逸らされた刃霧の視線に気が付いて、神谷はそう思った。2人で話している時、基本的に彼は相手の目をじっと見つめているのだが、今みたいに、急にふっ、と視線を外す時があって、大体そういう時は、彼の視界のどこか…