2018土方誕生日記念 - 1/3

誕生日だ、などと言うつもりはなかった。
そもそも誕生日に銀髪のセフレと会うつもりもなかったし、今日は1日仕事のはずだった。
「いいから、トシはもう上がれって。」と、屈託無く笑う上司に折れ、夕暮れ前に暇を持て余した土方は、何となく入った居酒屋で銀時に見つかった。
そうしていつも通り、数時間前に安宿にしけこんで今に至る。
元々そんな気分じゃなかったのだから、断れば良かったのだろうが、土方には断れない事情があった。
もう大分前から、土方は銀時に恋心を抱いていた。
セフレとなってしまった今、想いを告げる気など更々無かったが、行為の度に心が軋むのも事実だった。
断ろう、こんな関係断ち切ろうと思っても、実際にこの男を前にしてしまうと、何も言えない。
土方は、底のない沼に嵌まってしまった気分だった。
事後特有の気怠い空気が漂う室内で、銀時はいつも通り風呂の準備を始め、土方は煙草を咥え火を点ける。
「つかお前、今日は仕事だったんじゃねぇの?」
先に口を開いたのは銀時だった。
銀時は土方の方に背を向けたままベッドに腰を掛けているせいで、土方からその表情を窺うことは出来ない。
土方は取り繕うのも面倒になって、正直に全てを答えることにした。
「仕事だったんだがな。
 誕生日だから早く上がれって、近藤さんが煩くって。」
そう言って目を閉じる。
部屋の照明がなんだか眩しくて仕方がない。
銀時が振り返ったのが気配で分かった。
「何、お前今日誕生日だったの?
 んだよ、早く言やぁ良いのに。」
「・・・言えば、何かあんのかよ。」
「そりゃあ、お祝いくらいさ・・・」
「めんどくせぇ。
 大体、そんな関係でもねぇだろ。」
土方のそのぶっきらぼうな答えに、銀時は溜め息を吐いた。
「そんな寂しいこと言うなよ。
 ・・・欲しいもんとか、ねぇの?」
そう言われた土方は、目を開け、銀時に視線を合わせぬよう、天井を見上げる。
欲しいものなら、ある。
でもそれは。