ちゃらんぽらんな男 - 6/6

06.(ダサくてカッコイイでしょ?)

それで2人の関係はどうなったかというと、実はどうにも変わっていなかった。
でも、それならそれで良いと土方は考えるようになった。
何でも白黒はっきりさせればそれで良い訳ではない。
互いに一番大事なものは譲れないのだから、曖昧なら曖昧なままの方が、2人にはしっくり来るような気がした。
それに2人とも、守れないかもしれない約束を交わすような関係よりも、明日もしかしたら会えるかもしれない関係を続けた方が良いことくらいは理解できる大人だった。
でも、少しだけ変わった事もある。
いつも死んだ魚のようにやる気のない、感情を読めなかった男の眼が、実は土方の想像以上に、男の感情を写し出していたことが分かるようになった。
お猪口を呷るその合間に男の瞳を盗み見て、土方は心の中でくすり、と笑う。
今みたいに忙しなく瞳が揺れ動いた時は。
銀時は一瞬だけ真面目な表情をしてから、「でさ、とりあえず次行かね。」と、いつものようにへらりと笑う。
土方はいつものように澄ました顔で「次、って、どこ行くんだよ。」と返した。