空っぽな愛が宿ったところ - 3/3

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「心をくれ」と言った。
土方は当然のように、「無理言うな。」と綺麗な顔で言った。
そんな事は分かっている。
だから俺は、「全部じゃなくて良い、半分もいらない。1%で良いから。」と迫った。
そんな細い身体では、真撰組を支えるだけで精一杯だろうから。
だから、1%だけでいい。それ以上は欲張らない。
そんな必死な俺に、土方は少し笑いながら「そんなもんでいいのか?・・・まぁ、そん位ならいいぜ。その代わり、俺にもおめぇの1%寄越せ。」と言った。
それ以来、二人の関係は少しだけ変わった。
少なくとも、セックスして終わりじゃなくなった。

本当は、俺の心は始めっから100%お前のものだ。
でもそれを気付かれてはいけない。
気付いてしまえば、お前は去ろうとするだろうから。

何時になったら、このクルクルパーは気が付くのだろう。
疾うの昔に二人は両想いなのに。
いや初めから互いに想い合っていたのを、なんだかんだとお互い誤魔化し続けてきたのだ。
あの日、起きて開口一番「心をくれ」と迫った銀時の姿には驚かされたが、その直後に「1%でいい」と続けられた時は一気に拍子抜けした。
確かに全部は無理だ。そう言った。
真撰組が一番になってしまうのは勘弁して欲しい。
でも、お前を大事に想う感情は、真撰組や近藤さんや総悟に対する感情と違うものだから。
だから、一生懸命自分の想いを誤魔化そうとしないで欲しい。
俺はお前みたいに器用じゃない。上手く立ち回れないし、口下手だから、お前にそんな風な態度を取られてしまうと、どうしたら良いのか分からないんだ。
さて、いつ、どうやって種明かししようか。
土方はそう思いながら、その横顔を見つめた。