僕らは海を見に行かなくちゃ

GIO5:ギアイル

コンクリートの壁面に波が当たって砕ける様子が辛うじて分かる暗闇の中で、イルーゾォは不満そうに唇を尖らせた。「これが『海』かよ。」暗殺なんて血生臭い生業をしているせいなのか、夜目は利くので、今自分達が立っている場所の様子を把握することは出来る…

SS:八土

「卒業するまではプラトニックなお付き合いをしよう。」マイペースでいい加減そうな男が、実は割と真面目な頑固者であることに薄々勘づいていた土方は、その内容に特に異論は唱えなかった。とはいえ、既に女性との経験は一通り済ませていた土方にとって、その…

GIO5:ホルイル

今回も仕事はあっさりと片付いた。そもそもイルーゾォの能力からしたら簡単な内容であり、この分ならホルマジオやソルベ、ジェラートの補助はすぐに不要になるだろう。むしろもう不要なのかもしれない。今回の仕事でホルマジオが果たした役割は、車を運転でき…

SD:洋平と三井

少しだけ季節がズレた砂浜に、人の姿は疎らだった。ちょうど良く海が見渡せて、車通りも少ない堤防に、ふたり並んで腰を掛ける。「海を見に行こう」と最初に言ったのは三井だった。三井の横顔に掛からぬよう、用心深く煙草に火を点ける洋平の姿に、三井は、ふ…

SS:原作銀土

巡回中に万事屋を見掛けた。相手も気が付いたようで、土方の方を一瞥するも、特に罵詈雑言を掛け合うでもなく、静かに通り過ぎた。その表情は何時もとそう変わらない。町の喧騒も、往来の暑さも、何時もと変わらない。変わらないが、土方は何か違和感を感じた…

SS:万山

原作「海見たい。」趣味の悪い、大きなベッドに仰向けに横たわったまま山崎が口を開いた。それは事後の気だるさを隠しもしない声音だった。「拙者はそんな気分ではござらんな。」既に起き上がっていた河上は抑揚なくそう言いながら、三味線と弦を弄っている。…